横たわるヴィシュヌ神

 
大蛇アナンタの上に横たわるヴィシュヌ神。
足元では、その妻のラクシュミーが足をさすっている。
そして、ヴィシュヌ神の臍から伸びた蓮の花から、ブラフマー神が生まれている。



 遺跡: Banteay Samre / Gambodia

アナンタ竜の上に横たわるヴィシュヌ神。このヴィシュヌ神は、右を向いている。

アナンタ竜には、鱗と前足、後足がある。
ヴィシュヌ神の臍から、蓮の花が伸び、その蓮の花から、ブラフマー神が誕生している場面。

しかし、蓮の花の途中で枝分かれし、ブラフマー神の下の2人は誰?



 遺跡: Angkor Wat  / Gambodia




最初のまぐさ石の枠で囲んだ部位のレリーフが、アナンタ竜の上に横たわるヴィシュヌ神。
このヴィシュヌ神は、右を向いている。

ヴィシュヌ神の臍から、蓮の花が伸び、その蓮の花から、ブラフマー神が誕生しているはずだが、レリーフが傷んでおり良く見えない。

左端のヴシュヌ神の妻ラクシュミーは、通常、ヴィシュヌ神の足をさすっているが、このレリーフは、ヴィシュヌ神と仲良く手をつないでいる。



 遺跡: Preah Vihear(Khao Phra Viharn) / Gambodia

このヴィシュヌ神は、右を向いている。
大蛇アナンタも、後世には、足のあるアナンタも多いが、このアナンタは、足もなくシンプルだ。
臍からもブラフマー神が生まれている。



 遺跡: Prasat Muang Khaek / Nakhon Ratchasima New

かなり磨滅が激しい。
しかし、左端にアナンタ竜の一部、その隣に片肘をついて横たわっているヴィシュヌ神の頭部、但し、顔は削り取られてしまっているが、確認できる。右端には、ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーが、ビシュヌ神の足をさすっている。



 遺跡Prasat Kampaeng Yai / Sri Saket

このヴィシュヌ神は、右を向いている。足元にはラクシュミーがおり、足をさすっている。
大蛇アナンタも、後世には、足のあるアナンタも多いが、このアナンタは、足もなくシンプルだ。
また、多頭の付け根が丸く太くなってるのも、面白い。
そして、臍からブラフマー神が生まれている。


 遺跡: Phra That Narai Chengweng / Sakon Nakhon in Thai

このヴィシュヌ神は、左を向いている。
アナンタの首から先はあるが胴体は、どこ?胴体は彫られて無いようだ。
足をさすっているラクシュミー(ヴィシュヌ神の神妃)の顔は、無残にも削り取られている。
またブラフマー神も、彫られていたと思われるが、ブラフマー神も削り取られたのだろう。
残念だ。


 遺跡: Ku Phra Kona / Roi-Et in Thai


ヴィシュヌ神が横たわっている大蛇アナンタは、コブラのような頭をしている。
ヴィシュヌ神の手には蓮華。足元にはヴィシュヌ神の妻ラクシュミーが足をさすっている。
臍からは蓮の花が伸びブラフマー神が座していたと思われるが、完全に削り取られている。
両サイドには、聖鳥ハンサが2匹ずついる。


 遺跡: Prasat Puai Noi / Khon Kaen in Thai

大蛇アナンタの頭が削り取られている。
ヴィシュヌ神の妻のラクシュミーは、保存状態も良い。
耳たぶは長く大きなイヤリングをつけている。
臍からは蓮の花が伸びブラフマー神が座している。但し、顔が無い。削られたのだろう。
ラクシュミーの右上には、アプサラスがいる。


 遺跡: Prasat Phnom Rung / Buriram in Thai

ヴィシュヌ神が横たわっているアナンタは大蛇と言うより、シンハの顔にも似ており竜のような顔だ。削り取られているが前足のような跡が見える。後ろ足もあったのだろう。
大蛇が竜に進化したものと思う。
ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーは削り取られている。そして蓮華の上に坐しているブラフマー神の顔も無い。
右端には、カーラの顔が有り、その下には2匹のオウムがいる。
右上隅には、子供を抱いた猿?
左側にも同様のレリーフがあったに違いない。

参考までに、このレリーフは、一時期、紛失したが、アメリカのシカゴ博物館で発見され、国を挙げての返還運動で、返還を勝ち取った物。タイ人の人気バンドのカラパオの返還要求の歌もタイではヒットした。



 遺跡: Prasat Yoei Prasat / Buriram in Thai

このレリーフの写真は、T.I.のHPタイ クメール遺跡遺跡を探し求めて」のトップページにも使用している。
そして、Prasat Phnom Rungの横たわるヴィシュヌ神 と並べて比べて見ると、図柄は非常に良く似ている。

このレリーフの大蛇アナンタは、前足、後足があり正にドラゴンそのものだ。
味方によっては、シンハにも見えてしまう。
ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーも、蓮華の上のブラフマー神も残っている。
左右にはカーラの顔があり、その下には、わかりにくいが2匹のオウムが彫られている。


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